今夜は晩酌ネタじゃない、ニューリリースネタを少々と、
今日は触れざるを得ないでしょう、業界震撼のサントリーによるジムビーム買収ニュース。
この2本立てです。
既にご存じの方も多い、信濃屋さんのニューリリース予定の、
グレンモーレンジ(ウェストポート)とバルヴェニー(バーンサイド)。
両蒸留所ともボトラーズからのリリースがあまりないため、珍しいリリースですね。
先日、サンプルをテイスティンググラスで試飲する機会がありましたので、
コメントを簡単にまとめました。
The Untouchhables
ウェストポート(グレンモーレンジ)
1997-2013 (15年)
56.0% 700ml
モーレンジらしいクリーンなアルコール感、アロエ果肉やバニラを感じる甘い香り立ち。
味は中間から蜂蜜とレモンが盛り上がり、ほのかにミントも、余韻はオーキーで豊富な蒸し栗の甘みと渋皮の苦味。
アスターを上品にしたような構成、中間から余韻の広がりがイイ。
The Chess
バーンサイド(バルヴェニー)
1989-2013(24年)
柔らかい香り立ちで、ホグスヘッドを思わせるオークとハーブ香、少し青い香りもある。
口当たりは麦とバタークッキー、ほのかに青リンゴ系の果実感とレモンピール。
中間重視で全体的に柔らかく、モーレンジほど迫る勢いはない。余韻は麦感がしっとりと残る。
今回のサンプルは、ボトリング後のものを小分けにしていただきましたので、
サンプルの味とボトリング後の味が違うということはなさそうです。
中身はどちらも蒸留所の特徴の範囲にあると思いますが、好みの話をしますと、
個人的に買いというか、1杯飲んで好印象なのはグレンモーレンジ。
モーレンジについては、オフィシャルラインナップで18年はアレ系ですし、
その他のシリーズはいじり系で、モーレンジの王道と言える、
アスターの正常進化版のような出来であるところに好印象を感じました。
一方この味で1本通じて楽しめるかというと、
麦感豊富で中間に厚みがあるバルヴェニーのほうが飲み疲れない印象はあります。
こういう地味というか滋味というか、柔らかい味のほうが疲れないんですよね。
BARなら1杯入魂でモーレンジ、家のみなら1本長く付き合えるバルヴェニーかなぁ、
あくまで自分の好みですがw
なお、オフィシャルと比較しても、納得のいく価格帯でリリースされており、
既に予約がかなりの本数に到達しているとのこと。
気になる方は早めに連絡して予約をされるか、
BARで入荷を待つか・・・いずれにせよ楽しみです。
さて、ニューリリースの紹介をしたところで、今更紹介の必要も無いもうひとつのビックニュース。
もうめんどくさいからニュースのURLも割愛ですw
今回の買収劇、金額の割りに合わないというような意見もあるようですが、売り上げだ費用対効果だ、
そんなマネー的な要素は、緻密な計算によりイケルと踏んでGoサインが出ているものとし、
(というかそんなもの酒のツマミに論じたくないだけなんですがw)
どうせ我々は飲み手なんですから、この買収がウイスキー的観点からどのような要素をもたらすのか、可能性があるものも含めて、そこだけダイジェストであげていくと、
・サントリーは自社製品米国進出の流通経路をさらに強いものとした。
・ジムビーム、メーカーズマークを手中に収め、今後競争が激化する恐れのあるバーボン樽を確保。
・ジムビーム社の傘下にある、蒸留所、シェリーボデガも手中に?(このあたりは14日時点で公式情報無し)
・有名2銘柄のバーボンの積極的な国内展開が可能に。
この辺かなと思います。
3番目はまだ確定情報が無いですが、可能性は高いですよね。
1番目、2番目は確定と言える要素だと思いますが、樽については、シェリー樽が枯渇して様々な蒸留所がバーボン樽にシフトしている中、世界的にウイスキーの消費量も増えているようですし、樽の確保に動くのはおかしい話じゃありません。
4番目はサントリーが本気になったら国内にバーボンブームを巻き起こせそうですが、角でハイボールブームを起こして軌道に乗っている中、そこから視点を変えるリスクを犯す必要も無いと思うのです。つまりメリットですが、オマケ的な感じで。
昨年、サントリーが日本国内で売れ筋とも言える(というか、これまで長年自社でPRをしてきた)ジャックダニエルを手放し、
ジムビームなんてアサヒと交換するような妙なことをやったと思ったら、なるほどこういう戦略だったのか。
価格は怖いが記念ボトルなんて出たりするんでしょうか。
今後のサントリーの動向も、目が離せませんね。