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バルブレア Balblair 10yo (100° Proof, OB, red white label, screw cap) c1975


タケモトカツヒコ
タケモトカツヒコ
[opentasting]

タケモトカツヒコ (プロフィール


【短評】発香の勢い素晴らしい 燻製された麦感 オレンジ ザクロ グレープフルーツ スパイシー 複雑さと迫力は満点


【スコア】BAR飲みのため非公開


【ファースト】:濃い琥珀 上面発香勢い素晴らしい(+++) 煙 燻製 60年代のアードベッグにもある独特な麦感 麦は今まさに燃えているよう (+++) オレンジ タバコの葉 ハーブ 分厚い木の葉 マーマレード ホットケーキ メープルシロップ 活き活きとしている

【ミドル】:ボディはボトムがしっかりしている 空間的な広がりというよりは、エッジが立った寸胴型で麦感素晴らしい(+++) 煙 燻製 奥にあるのはオレンジとその皮 ザクロ グレープフルーツ マスカット 時間と共に酸味が増す 乾いた木材

【フィニッシュ】:鼻抜けしっかり、返り優先  ここに来て甘みが落ち着く 古いコアントロー(トリプルセック) ダイダイ 夏みかん 唐辛子 黒胡椒 塩 マサラチャイ 次第にミルクチョコレート


バルブレアはスコットランドで最も古い蒸溜所のひとつ。

4000年前の古代ピクト人のシンボル・ストーン、クラッチ・バイオラッチーをのぞむ(古代ピクト人の)居留地に存在します。

1749年にはビールを醸造していた記録があり、1790年にはJohn Rossがウイスキー蒸留所を設立。仕込み水に蒸留所からはやや離れたオウルト・ドレッグ・バーン川の水を利用していて、この水がとてもピート色が強いようです。蒸留所のこの川の水に対するこだわりは強く、川の一部の独占権利を取得しているほど。

この水のせいなのか、なんとも乾いた感覚があって、モルトウイスキーの中では早熟と言われている部分にも影響していそうです。

発酵漕はオレゴン・パイン(松)製が6基で、なんとアードベック蒸溜所の中古品だそうです。これが香りに影響したのかどうか。。。

乾いていて燻された麦感というのが自分の中でアードベッグの60年代半ばの個性として記憶されていて、蒸溜年代を考えてもほぼ同時期であり、激しくリンクします。

またブローラが1969-1973まで仕込んだアイラスタイルのピーテッドモルトにも近い印象があって、どちらもボディが固くボトムがしっかりしている印象もあります(DLPTの70-72蒸溜、OB30年の3rd、4thあたりを彷彿とさせます)。

ヘビーピーテッドのブローラに本ボトルほど乾いたフレーバーがあるかと言われると、20年を超える熟成年数しか飲んだことがないこともあってもっと角が丸い記憶ですが、もしこの蒸溜年代10年熟成のカスクストレングスを飲むことができたなら、仕込み水とモルティング両方への泥炭関与がイメージできるかも知れません。(とはいえ入手はちょっと無理そうです)

***追記

発酵過程で、麦芽のシリアル系の特徴が形成されるとの文献を発見しました。

発酵段階では加えて、花(ヘザーなど)のアロマとフレーバーを生み出すとのこと。

酵母の種類と発酵時間により異なる特徴が得られるそうです。

またアードベッグを例に挙げ、その特徴はまず木製のウォッシュバック(発酵槽)によってつくられるとあります。

やっぱりバルブレアの中古の発酵槽も大事な要因だったのかもしれません(こればっかりは感覚なのではっきりしたことは言えませんが。。。一度ガスクロにかけてみたいです)