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【新着】ボウモア The Sun & The Moon 信濃屋オリジナル

引き続き新着ボトルの紹介です。
今回はボトラーフェスでも試飲することが出来た、信濃屋さんのニューリリース、
「太陽と月」シリーズとしては第2弾となる、ボウモア1996&1997。

徐々にタマの少なくなり始めた、90年代ボウモア・・・
厳しいとは聞いていましたが、今回の販促情報の中でもその点が触れられています。
個人的に30年ものが楽しみな蒸留所の年代の一つですが、ボトラーズからは難しいかナァ。

イベントで軽く試飲していましたが、メモも取っていなかったので紹介を控えようと思っていたところ、
ご厚意でサンプルをテイスティングさせていただく機会に恵まれましたので、掲載させていただきます。

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ボウモア
1996-2013(17年)
700ml 57.5%
Cask:リフィルホグスヘッド #9643
信濃屋オリジナル ”The Sun” 

ツンとしたアルコール感、グレープフルーツやレモンの皮を思わせる酸味と渋み、シトラス、
奥にはピート香と、僅かに蜂蜜のような甘さと灰のようなミネラルっぽさもある。
とろりとした粘性のある口当たり、グレープフルーツ、出汁っぽさ、中間から塩分がピリピリと口の中を刺激する。
フィニッシュはスモーキーでスパイシー、ピートの程よいビターさが残る。

バランスの良いボウモア。ピートとフルーツのバランスが良く、
特にとろりとした口当たりが、2000年代のライトになりつつあるボウモアとの違いとして感じられる。


ボウモア
1997-2013(16年)
700ml 56.2%
Cask:シェリーバット #900017
信濃屋オリジナル ”The Moon” 

穏やかな香り立ち、ラフランスのような品の良い甘い香り、蛤や貝類の出汁、メンソール、干した草。
徐々にシェリー樽由来の黒糖のようなアロマも感じられる。
口当たりは甘酸っぱさがあり滑らか、ドライアプリコット、ピンクグレープフルーツ、アロエ、微かに植物質。
フィニッシュは土っぽさも感じるピーティーさが加わり、ウェットで長く続く。

注ぎたては香りがあまり立たないが、徐々に”らしい”香りが開いてくる。
ボトルのポテンシャル的には1杯で測ることが難しい変化と複雑さがあり、腰を据えて付き合いたいボトル。


 

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今回はサンプルを自宅テイスティングをしています。
(右が”The Sun”、左が”The Moon”)

こうして飲み比べると、”Tne Sun”のほうが、香り、味共に分かりやすい果実感、ボウモアらしさがあり、
一口で「あぁ、うん」と納得させられる構成になっています。
まさに近年系のボウモアなんですが、同じフレーバーでも「またか」と思わせない厚みがあります。
メインではありませんが93系のトロピカル感も奥のほうにあり、飲み終わったグラスをちょっと置いておくと、
その手のフレーバーが出てくることから、構成するフレーバーのひとつに「ある」ということなんでしょう。
バーボンホグスヘッドと90年代原酒、もう鉄板の組み合わせですね。

一方で”The Moon”ですが、香り立ちもさることながら、こちらはじわじわと広がってきます。
確認のためグラスを新しくして2杯注ぎましたが、2回とも注ぎたての香りはボウモアっぽさというより、
どこかハイランド地方のモルトのような、トーンが高く品の良い甘さが感じられる。
そこから徐々に海の印象、植物感、グレープフルーツなどのらしいアロマが開いていくる。奥行きのある構成で、
テイスティングしていてどこまで拾うべきか、どこまで書くべきか、非常に悩んだサンプルでもありました。
1杯というよりも、1本でじっくり腰を据えて付き合いたいボトル、おそらくもっと変化があるんじゃないかなとも。

これら2本を飲み比べると、まさに”太陽”と”月”という表現がしっくりくる構成になっています。
狙って選んだんでしょうか。。。まぁその辺をここで推論立ててだらだら書いても仕方ないので、
ここではそういうことにしておきましょうw(問い詰めは今度の某ツアーで・・・)

既に太陽のほうは売り切れということで、2本をまとめて手に入れるのは難しいかもしれませんが、
BAR等で2本あったら飲み比べて見てください。
本質的には同じボウモアでありながら、樽によって身に着けた個性の違いが楽しめます。

では、今夜はこの辺で。

 

(※信濃屋さん、画像引用させていただきました。)