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【総括】2010年を振り返る@くりりんside①

1. はじめに
Whisky Linkにて「2010年を振り返る」と言う題目をいただいて、すでに1ヶ月以上が経過してしまいました。
気が付けば2010年もあと3日で終わり・・・、こりゃイカンw
ということで、あわてて記事を仕上げるわけですが、まずはウィスキーに関する全体の振り返りとして、
個人的に2010年といて連想される3つのキーワードであるところの
”ハイボールブームの定着” ”円高” ”書籍の充実”について、まとめていきます。

1-1. ハイボールブームの定着
2008年ごろからじわじわと動きのあったハイボールブームは、2009年に爆発し、2010年はその勢いそのままに定着。
夏場のビールの売り上げが大幅に落ちる代わりに、ハイボールブームによるウィスキーの消費量増加という事態も引き起こし、
JR新橋駅の発車ベルは”あのBGM”になり、角、山崎、響らは軒並み出荷調整、
小雪さんはどうでもいいんですが、S社さんの戦略は結果的に大当たりでした。
また、ハイボールブームはBARや飲み屋でのウィスキー消費だけでなく、自宅での、いわゆる家飲みスタイルも定着し、
ソーダと氷があれば手軽に楽しむことが出来、さらに定番ともいえる”角”以外にも、
IWハーパー、フォアローゼスのハイボール缶、さらにはウィスキー業界の革新的な試み、
モルトと炭酸のみで作られた竹鶴12年ハイボール缶も販売され、
ビール等に比べると安くてヘルシーなハイボールが、さらに広く普及する結果となりました。

1-2. 円高
2010年は1ドル80円台で推移した、史上類を見ない超円高、
輸入ウィスキーは大きな恩恵を受け、カリラカスクストレングスが3980円、タムデュー25年6380円、
ボウモアテンペストは当初1万円前後で販売されたものが、最終的には4980円、
プレミアムスモールバッチバーボンの代表格、ブッカーズも3000円台で買えてしまう等、
並行輸入による業者様の努力の賜物でもありますが、旨かった銘柄が安く手に入ることで、
相対的にコストパフォーマンスは上昇し、ウィスキーはぐっと手軽に手に入るようになりました。
また、円高が後押ししてか、樽買い、プライベートボトリングも活発に行われたように思います。
伝説のボトルとなったベンリアック1968_#2709、個人的に2010年最高のコスパである目白八重洲ボウモア1999・・・
すばらしいリリースも多く行われました。

1-3. 書籍の充実
今年はいったい何冊のウィスキー関連書籍や雑誌が販売されたでしょうか。
ウィスキーマガジン、ワールドウィスキー誌は対象外として、日本で出版されたものは10冊。(もっとあるかもしれません^^;)

・THE WHISKY BOOK (ザ・ウィスキーブック)
・シングルモルトファンvol.2
・Pen (ペン) 2010年 10/15号~ウィスキーを語れ~
・BRUTUS (ブルータス) 2010年 10/15号~20年通えるBAR~
・シングルモルト&ウイスキー大事典 肥土 伊知郎
・ウィスキーの基礎知識
・ジャパニーズウィスキー
・うまいウィスキーの科学
・ウイスキー起源への旅
・シングルモルトのある風景 -アイラ、それはウィスキーの島

また、これらの先駆けとなる2009年末の出版が3冊※ありました。
2010年の括りには入りませんでしたが、直近の書籍の充実として除外することは出来ません。

・シングルモルトウィスキー大全 土屋 守 (2009/11/25)
・ウイスキーの科学 古賀 邦正 ( 2009/11/20)

※ニアピンとして「シングルモルトファン―世界と日本のモルト厳選200本を知りつくす( 2009/12)」
なんてのもありましたが、ちょっとこの本は個人的にいただけない特集があったので注釈にとどめます。

来年1月には「モルトウィスキー・コンパニオン」の最新版のほか、「アイラウィスキー・ドリーム─銘酒シングルモルトの復活劇」
なる書籍も販売されるようです。
これら2010年に集中して販売されたウィスキー関連書籍ですが、2009年は上記3冊
(雑誌の特集記事等はあったかもしれませんが、調べきれませんでした。)
しか販売されていないことを考えると、大幅増です。
つい1年~2年前は、書籍といってもボトル等やウィスキー関連の知識をまとめたものは3年、5年、
ひどいものでは10年以上前のものしかなく、掲載されるボトルや情報は、今となっては”オールドボトル図鑑”
となりつつあった中に、非常に大きな動きが出ていることが見て取れます。

2. キーワードが示すこと~2010年の総括~
”ハイボールブームの定着””円高””書籍の充実”、これらのキーワードがもたらす効果としては、
ウィスキーを知り、興味を持ち、学ぶための条件がそろっていたということが考えられます。

今までどこかとっつきにくかった液体は、ハイボールによって広く飲まれるようになり、
円高によって下がった値段は、さらにその敷居の高さを低減してくれたように思います。
ハイボールを飲んだ10人が10人、ウィスキーに興味を持つことはまずありえませんが、
(ウィスキーで作ったハイボールを、ウィスキーだとわからず飲んでいる人も居る)
その中の数名が興味を持ち、ウィスキーに惹かれた時、それを学習することが出来る環境が書籍の充実によって揃っている。

2010年はこれらの要素によって、ぐっとウィスキーとの距離が縮まった年であったように思います。
2011年はこうしてウィスキーに触れて興味を持った人たちが、テイスティングや食事とのマリアージュ等、様々な楽しみ方を追求していくようになれば最高ですね。

3. 2011年への期待と懸念
2.にて2011年の我々ユーザー側への期待を少し記載しましたが、
2011年のウィスキー関連の話題としては、既にGOODニュースが伝えられています。
先日、マルスウィスキーこと信州工場が2011年の3月に再稼動することが発表されました。
イチローズモルトこと秩父蒸留所は、ついに3年もののウィスキーを販売する予定だそうです。
ウィスキーの現状は大変明るいだけでなく、まだまだ業界全体として追い風が吹いているように思います。

そうなると、2011年及び近い将来には何が求められるのでしょうか。
そのヒントとなると感じるのは以下の写真。
某所にある成城○井のウィスキーコーナーです。ここは1ヶ月ほど前からこんな感じです。
マッカラン、モーレンジ、余市、竹鶴、横置きです。

以前は縦置きでした。
しかし棚の高さが足りずに取り出すときに突っかかっていて取り出しにくかったのですが、何を思ったのか横置きを始めました。
この他にもウチの会社の側の某酒販はジョニーウォーカーゴールドが常時横置き、
この前ふらっと入った関内の横浜スタジアム近くにある酒屋もバーボン含め横置き状態でした。
これら横置きのウィスキーは1~2ヶ月もすれば、立派なコルク臭、プラキャップ臭ウィスキーの出来上がりです。
飲めたモンじゃありません。

上記のような酒屋はごく一部ではありますが、横置きの件以外にも最低限必要と思われる知識が無い場合があるなど、
ウィスキーの需要が増える中、この勢いを持続させていくためには、販売店やBAR等、モノを扱う側の知識・・・
言わば”質”が今まで以上に重要となるのではないでしょうか。

2011年も素晴らしいウィスキーや人との出会いを願う飲み手の一人として、
ウィスキー業界の更なる発展、嗜好者層の更なる拡大を期待しています。

4. 結び
文章の構成として強引につなげた感がぬぐえない、駄文となってしまいました。
薄っぺらい文章を書くのが得意、くりりんこと、えんどうたけのりです。

いやぁ・・・今年はブログを始めて、イベントに参加して、ウィスキー繋がりの輪も出来て、
さらにはイベント開催までしてしまって・・・
ウィスキー関連では本当に充実した1年となりました。
ブログを閲覧してくださっている皆様、そしてウィスキー繋がりでお世話になっている皆様に、
まずこの場をお借りして感謝いたします。

2010年末にかけては、私生活のほうでいろいろとあって、さらにウスケバのリニューアルもあり
言い訳がましいながらブログの更新頻度が落ちてしまいましたが、2011年も引き続き活動させていただくつもりです。

・・・なんてすでに締めに入ってしまったような内容ですが、2010年残り3日、まだまだブログも更新してまりいますし、
自分が飲んだウィスキーについての2010年の振り返り記事もUPする予定ですので、皆様引き続き宜しくお願いいたします。