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【ウィスキー日記】マッカラン蒸留所リニューアルでラインナップ一新。水面下で進む世代交代とは?

今回はマッカラン蒸留所閉鎖に伴う、ラインナップ変更の話。

マッカランが新しい蒸留所&ビジターセンター建設のため、今年秋から2017年まで閉鎖されるというニュースは
ウイスキー業界に少なからず衝撃を与えたものと思います。


マッカラン、蒸留所の閉鎖と新設を発表。
http://www.thespiritsbusiness.com/2013/11/the-macallan-to-close-distillery-and-open-another/

しかしその閉鎖及び新設最中のリリース、オフィシャルラインナップについては正式発表が無く、
どのようになるかは不明でしたが、大幅変更が行われるというストーリーが見えてきました。

 

あくまで”うわさ”と言うことになっていますが、
具体的には、12年、18年、25年などのエイジング表記のラインナップが終売。
別途販売中の、ノンエイジシリーズ(ザ・マッカラン1824シリーズ)であるゴールド、アンバー、シエナ、ルビーはそのまま。
また、ゴールドを除いた3種が日本向け正規ラインナップになるという話。
(後日4種全て入ってくるかも知れませんが、3月時点は3種の模様。)

IMG_0812 IMG_0813
(ザ・マッカラン1824シリーズ販促用ビラ)

複数の業界関係者に裏取りしたところ、今年のエイジング表記のシリーズ、正規割り当ては現時点でゼロ、
と話していましたので、ビラでは<限定販売>としていますが、そういうことなんでしょう。
(業界サイドでは、既存在庫に関する動きもすでにあるようです。)

この3種、ビラ記載の価格から店頭価格が大きく離れることは無いと思いますが、
値上げしたとはいえ、4000円前後だった12年の後継が6000円前後になるのは、飲食業の方には痛い話。

それでも「気にして飲んでる人は少ない、重要なのはマッカランがラインナップに存在しているかどうかだ。」
なんて言う銘柄至上主義なロジックもあると思いますが、
今日はこれらニューリリースとなるマッカラン3種のコメントを掲載します。

 

画像2

ザ・マッカラン1824シリーズ
アンバー、シエナ、ルビー

※テイスティングコメントは全て平行品、昨年Facebookに投稿したものになります。
※3月11日発売の3種は日本向け正規品となるため、多少異なる可能性があります。



【マッカラン アンバー 40%】
予定販売価格:6000円

レーズン系の酸味、オレンジピール、木材、ハーブ、微かに溶剤、奥からほのかに甘栗。
スムーズな口当たりでややドライ。フィニッシュは麦感もある。
少しヨーロピアンリフィルオーク由来と思しき生臭さが気になるが、
リフィルや若い原酒主体だろうが比較的良くまとまっている。


【マッカラン シエナ 43%】
予定販売価格:10000円

開けたては少しギスギスしているが、程なくハチミツや焼き芋のような甘い香りと香ばしさ。
全体的にスムーズで、レーズン、チョコレートを感じるシェリー感。
余韻はややウッディ。チャーオークのフレーバーが鼻に抜ける。
バッティングしたシェリーとホグスヘッド系の樽の特徴が順番に感じられて面白い。


【マッカラン ルビー 43%】
予定販売価格:20000円

プルーンやチョコレートクリームを思わせる重さのある甘さ、裏には微かなオーク香。レーズンやぶどうの皮、
リフィル香は無く、濃縮したダークフルーツを連想するリッチなシェリー香。
余韻はビターでカカオチョコレートと焦げたオークを感じる。マッカランの王道をハッキリと意識しているボトル。


 

ルビーはリッチなオロロソシェリー系、これはほぼシェリー樽で18年と25年の間のような印象ですが、
アンバーやシエナはリフィルやホグスヘッドのバッティング比率が高い構成。
さらにはバーボン樽と思しきニュアンスも感じられます。
これまで別ラインナップだったファインオーク系の原酒を使って原酒ストックのバランスを取っているんでしょう。

ところが広告用のビラを見ると、旧シリーズから変わらぬ「マッカランはすべて100%シェリー」の文字。
ここまでやっておいて何を今さら・・・と感じますが、実は日本正規はごにょごにょで、平行はごにょ・・・
(おや、誰だこんな時間に・・・うわまてやめろなにを、アーッ!・・・)

・・・

あーうん、あぶないところでした。

ちなみに2014年に閉鎖され、解体され、2017年にリニューアルオープンするマッカラン蒸留所は、
これを機に製造方針などを一新する可能性が高いです。

新しい蒸留所のスタイルがどうなるのか、具体的な発表はありませんが、
蒸留所関係者のコメントを読むと、次の蒸留所に引き継ぐ的な事が書かれつつも、
全体的には大々的な変更、新しいスタイルの確立を臭わせる表現となっています。

まぁ実際シェリー100%や麦の品種など、こだわるといっていたことが維持できなくなっているワケですから、
これを機に白紙に戻してしまうことも出来るわけです。

 

今のマッカランを気に入っている人にはショッキングなニュースかもしれませんが、
個人的には「今はちょっとね。。。」であり、
この新設が新しい可能性をもたらすのなら、その行く末を見てみたいですね。

あ、でも旧ボトルや旧時代の原酒が異常に価格高騰するのは歓迎できません(笑)。

 


【後日談@3月1日追記】
なんて記事をUPしましたら、営業サイドからの情報ということで実は日本だけは違うという話が入ってきました。
というのも、日本市場はエイジング表記による高級感や、酒の格付け的なPR効果が高いため、
日本だけは、今まで通りエイジング表記のシリーズを展開するというもの。

なるほど、確かにマッカランはシェリー100%なんていいつつバーボンとかも出してるわけですが、
そのシェリーのマッカランの中心的展開地は日本。アメリカとかヨーロッパはファインオーク中心だったりするんです。
それはS社の努力もありますし、「日本人の趣向」に合わせたマーケティングでもあるわけですが、
過去のその話からも、今回日本市場だけはエイジングシリーズを残すというのは、ありえる話だと思います。

ただ、それは日本市場に限った話であって、世界的な目で見れば1824シリーズに変わるのでしょうし、
日本もいずれどうなるかはわかりませんね。

営業サイドの話なのでどこまで信憑性があるかもわかりませんが、大きな変革の波が来ていることは事実である。
とまぁ、夕刊フジとまでは行かなくても、東スポ的な飛ばし記事として、締めくくりとさせていただきます(笑)。