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ボウモアとギリーのパヒュ問題まとめ


【パヒュ問題:管理人】

https://www.whiskylink.jp/?p=16967 より

今回のギリーとボウモアで共通する、製麦段階でというのは現在想像つかないのですが、いわゆるコンデンサー問題を考えてみると、蒸留後冷やす、加水する段階にコンデンサーが使われていたと仮定すると、そこに「水」由来のアルカリPH、ミネラル分がかなり付着していたり、コンデンサーでかなり急いで冷やすために温度の高低差が大きくつくと、いわゆる石鹸を生成する「けん化」反応がおこりやすかったのかなと推測しています。94年以降(またはその直前)はこのあたりが見直されたのかもしれないなと。ただこれもまったく根拠もない想像です。


【ウイスキーヒストリー大阪での講演証言】

M氏より

ボウモアの石鹸は、サントリーHD宮本博義氏がウイスキーヒストリー大阪で触れてました。冷却水を温水プールに回すため、設定温度が非常に高かったそうです。

http://twitpic.com/6udwls

http://twitpic.com/8obcup

M氏より追加証言

@whiskylink WL拝見しました。写真2枚目に映ってますが、ボウモアもトマト栽培に絡んでいたそうです(笑)冷却水の温度ですが、講演では「ニューポットの温度が20度を超えぬよう、冷却水の設定温度を下げた」のこと。冷却時の温度が高いことを問題視したというニュアンスでした。


【要点】

1、ボウモアは冷却水をプールに、トマト栽培もおこなっていた

2、ギリーは排水熱を利用した、トマト栽培、植物栽培をしていた。https://www.whiskylink.jp/?p=16672

3、共通してパヒュ時代がある


【個人的見解】

そう考えると、蒸留後、高い温度の排水熱を冷却水が得たということは、

ちょっとややこしいですが、相当蒸留液が熱い段階で、冷却水をかけたということなのだと思います。

しかし冷却水がウイスキーになるわけではなく、問題は冷却された側のウイスキーということで、かなり高温状態から、機械的冷却に晒されたと。ここが大事なんでしょう。

ボウモア側は、早く冷えて、なおかつ冷却水をプールに利用できると勇んだのでしょうが、残念ながら予想外のパヒュ現象が。。。

あとはアルカリPH、ミネラル分ですが、これは相当量仕込み水にあったと見てもよさそうです。

面白いですね~。

【追記】

M氏の追加証言によると、冷却時のニューポッドの温度が高いという部分に問題があるというニュアンスだったと。

おそらく、ニューポッドを高温時から冷やす、ニューポッドが20度以上をキープしてしまう(むしろこのぐらいの温度であれば高いほうが反応性が高いです)などの従来はありえなかった、自然では起こり得ないニューポッドの温度環境が、けん化反応を促進してしまったのでしょう。

これも排水熱を利用した、2次産業に適した環境つくりが、結果大切なウイスキーのクオリティに影響を与えてしまったと言えそうです。

また昨日のニコ生でもお話ししましたが、たとえばG&Mのブラウンコニッサーズにはパヒュボトルが続出します。

これも同じ「けん化」反応によるものと、結びつけると、おそらくこれは「加水」によって、アルカリPH条件が導かれたものと考えることができます。

しかしながら、60年代グレンフィディックなど、殺虫剤的なパヒュについては、これも推測ながら、私は上記の影響ということではなく、熟成庫に「なんらかの消毒を要する事態」が起こったか、または「樽を消毒せざるを得ない事態」が起こったためと見ています。