注目キーワード
  1. Bowmore
  2. 1966
  3. Samaroli
  4. Sestante
  5. Intertrade

Whiskylink 写真部 Longmorn 1969 62.2% G&M

私が実際テイスティングしたLongmorn の中では、現時点で#1と思われる物である。

タケモト氏がLongmorn 1971 Sestante Antica Casa Marchesi Spinola 58.1% を取り上げられた事もあり、私は以前、自分のブログで取り上げたこの1本を投稿したい。

 

 

Longmorn 1969 62.2% Gordon & MacPhail 

(released around 1990)

 画像からも推測は付くと思うが、色はやや赤みがかったブラウン。

ボトルのかなり下の部分を飲んでいる事を心にとめて見て頂きたい。だが、結論から先に述べれば、超悶絶モノである!!

初めは、綺麗なシェリー香から始まる。だが、それは全てを覆うような強さでなく、適度にナチュラルなメイクの様な感じであった様に思われる。

そこから、この年代のLongmorn にありがちなアレになる。バナナ、マンゴー、パイン、パッション、パパイヤといったあたりのトロピカルフルーツ一式とも呼ぶべきあの一団のflavors である。しかも、くどくなく流麗である。さらに桜桃、杏等が来て、アーモンドエッセンスがたたみ掛けて来る。

これで終わらないのがこのボトルの凄さ!何やらアニスやカルダモンの様な風味が僅かにあると思ったら、その後追っかけてきたのは…。

おぉっと、Kirsch か?、Maraschino か?、そういった感じもありながら・・・、結局、Marc de Gewurtztraminer だぁ~っ!! (註1) Gewurtztraminer のGewurtz はドイツ語でスパイスを意味し、スパイシー&フローラルな香味が特徴の葡萄品種である。Longmorn の持つスパイシーな一面がこの様な形で表れたと考えれば合点が行くが、こんなのは初めて。アフターテイストは勿論長く、このGewurtztraminer 的な味もしっかり残る。全体のシルエットを仮にワインに擬えるなら、Alsace のGewurtztraminer あたりのVendange Tardive 又はS.G.N. (註2) を熟成させてそこから残糖を取った感じか。

 Longmorn に求めたい要素が殆ど余す所なく盛り込まれて、自然に華麗にスペクタクルを作り上げる、究極悶絶のLongmorn !! score = 97pts

 京都市中京区の某有名店で頂いたのだが、その店のマスターK氏以下バーテンさん達も奇跡の1本と絶賛していた。60年代終盤蒸留のLongmorn はこのボトラーのBook of Kells から出ているが、この記事の1本とそれらとの大きな違いは…?熟成年数の問題は大きいが、それだけでなく、スピリッツの時点での出来もかなり大きかったのではなかろうか?

冒頭でも述べた通り、私のブログで取り上げた際の記事はこちらを参照 (これと殆ど同じであるが)

(註1) Marc de Gewurtztraminer はAlsace で良く作られる粕取りのeau de vie 。Marc d’Alsace は樽熟成なしの透明な状態でボトリングされる事が多い。

(註2) Vendange Tardive は遅摘みの葡萄からの中甘口又は甘口ワイン、Alsace では貴腐ワインを S.G.N. = Sèlection des Grains Nobles と呼ぶ事が多い。

今年1月より自分のブログを持った為、このサイトへの投稿は基本的にしていない状況であるが、又機会があれば投稿したい所存である。(私のブログはUSUKEBAにもリンクさせてもらっている)