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ラフロイグ Laphroaig 31yo 1974/2005 (49.7%, OB for LMDW, Sherry, 910 Bts.)

タケモトカツヒコ
タケモトカツヒコ

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タケモトカツヒコ (プロフィール


【スコア】 BAR飲みのため非公開


【ファースト】:若干濃い琥珀 当初フェノール タール分が前面に 時間の経過にしたがって、黄色い桃 ヨード 木苺 オレンジ系の酸味が台頭 魚の燻製 干した麦 チョコレート ナッツ アーモンド 若干の塩気

【ミドル】: ボディはやや寸胴気味だが、一体感はある フェノール タール ヨード 甘さはシロップ 砂糖+魚醤 ダシ 塩 海藻 オレンジ 焦げた砂糖 フィニッシュにかけて立体的盛り上がり

【フィニッシュ】:幾分穏やかだが、鼻抜け優先 余韻は長い 黄色い桃  塩分  海藻  磯の香り  軽く甘い江戸ムラサキのよう  干した麦 余韻でクリーミーに変化 生クリームも


ラフロイグ OB for  LMdW 31年熟成 1974/2005。49.7%で910本限定。

2000年代に入って瓶詰めされたラフロイグの中では、名実共に「最も評価が高いボトル」のひとつでしょう。


【参考】ラフロイグ Laphroaig 15 yo 1967/1982 (57%, Duthie’s for Samaroli, sherry)

ここで前回記事のサマローリ1967との共通項について。

 

不明瞭な写真で申し訳ないですが、「Sherry Wood Cask”s”」と「ヴァッティング」であることが表ラベルに明記されています。

「最上級のシェリーウッドカスクによって熟成された、数樽を、特別にマスターブレンダーのロバート・ヒックスが選抜した」

ボトリング本数としては910本。


実際樽の詰替も混合も頻繁だと聞きますが、やっぱりシングルカスクで突き抜けたボトルを目指すよりも、確かな目で選んだ高品質かつボディのピントが合うような「近似の2~3樽」をヴァッティングして、数ヶ月の後熟ののちボトリングするというのが、複雑性を増すにも、似た要素を共鳴させるにも最も良い手段ではないのかなと。

鋭いのはアルコール感とボディの輪郭だけで良くて、味香は複雑な方が楽しめる。。。

何回か書かせていただいていますが、今でもそう思っています。

ただ樽の品質なのか各樽のブレが大きく、また営業的な面でも希少性優先の嗜好性からか、なかなかリリースがありません。また連番では譲ってもらうのは大変であるという事情もあると思います。

本当に惜しい。。。

このボトルを考えてみても、単純に蒸溜年だけの話ではなく、やり方次第で過去の名ボトルと同等かそれ以上のリリースが可能なのでは?と思えてきます。


しかもヴァッティングのボトルを数本連続して飲むと、それぞれの繋がりが非常に良いことに気づきます。

ボトルを越えてフレーバーの共鳴が起こっているような印象だったり、異なる部分が捉え易くなるように感じるのです。

これは数樽程度のヴァッティングによって、シングルカスクよりは複雑さが増しても、数千本の(ヴァッティング)リリースとは違って、要素のピッキングは容易ですし、それぞれの印象が顕著に記憶に残っていて、その状況のまま次のボトルに引き継がれているからだと思います。

ヴァッティングが上手く出来ているボトルでは、基本的に要素のピッキングはシングルカスクよりもし易いと思います。類似要素は厚みが増して、異なる要素は「差」がついてくれて、それぞれ立体感が増して捉えやすく、より楽しむことができます。

これをミスると、ボディは寸胴だったり潰れてしまい、それぞれに味香りが四方八方に飛んだような感じになって、非常にわかりにくい体裁になってしまいます。複雑過ぎても要点が掴み切れないので、方向性は明瞭な方がいいのかもしれません。

ここで。。。ひとつポートエレンで良いヴァッティングを思い出しました。次回はそのボトルについて触れようと思います。今回よりも更に近年瓶詰めです。