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カリラ Caol Ila 15yo (65.3%, Sestante, 75cl) 1970年代後半~


タケモトカツヒコ
タケモトカツヒコ
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タケモトカツヒコ (プロフィール


【短評】乳酸感はさほど感じず、むしろ炭酸のよう


【スコア】BAR飲みのため非公開


【ファースト】:やや薄い琥珀 燻製感(++) 植物(茎) マスカット 煙感 アルコール感鋭い グレープフルーツの皮 やや炭酸のよう アーモンド 樹脂系のヒント

【ミドル】:ボディ鋭い輪郭 焦げた麦感(++)が広がる 寸胴系のボディ クッキー 渋みはマスカット ザラメの砂糖 燻製>煙>ヨード レモン お茶

【フィニッシュ】:返り優先(+) 軽く八つ橋 乾いた麦感 シシトウ 舌の上に唐辛子 余韻は決して長くはないが、渋みとともに切れ上がる


1970年代後半~1980年代前半の流通、セスタンテのカリラ15y。なんと度数は65.3度。

一般にブレンデッドが盛んだった時代、原酒を目的とした樽は比較が容易であるように62度程度で樽詰を行っていたというのが定説なのですが、本ボトルや同 14年が64.7度でリリースされているところを考えると既に1960年頃にはカスクストレングスでのリリースを念頭にハイプルーフで詰めたのでしょうか。。。それともカリラの儚さの秘密はボトリング時に一気に加水することにあったのでしょうか。。。全盛期のセスタンテが関税よりも酒質を優先した気概が感じられます(80年代半ば以降のリリースはなんと40度まで加水してきます)。。。

そういった視点からもとても興味深い1本です。

乳酸感はさほど感じず、むしろ炭酸のようです(参考:ブラドノック Bladnoch 23yo 1966/1989 50.8%, Dun Eideann)。野菜っぽさはフィニッシュのシシトウのような辛味が印象的。

フィニッシュは切れ上がります。ボディは15年熟成にして寸胴の広がり。エッジも見事に立っています。この寸胴系のボディはマッカランよろしく濃厚なシェリー樽だとしたら見事なボディ演出になったことでしょう。

60年代カリラのポテンシャルが明確に伝わる1本です。見事。