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マッカラン Macallan 1981/1999 ‘Exceptional Single Cask I’ [ESC1] (56%, OB, C#9780, Fino Sherry Butt ) 22/12/81-23/12/99


タケモトカツヒコ
タケモトカツヒコ
[opentasting]

タケモトカツヒコ (プロフィール


【短評】しっかり赤みのある濃厚なブドウのフレーバーが堪能でき、なおかつ「重くない」「渋すぎない」、後口のいいフィニッシュ


【スコア】BAR飲みのため非公開


【ファースト】:濃い琥珀 動物的脂肪酸(なめし革)(++) 据えた香 杏(++) レーズン(+) 赤ワイン アルコール感しっかり 時間と共にチョコレート 焙煎コーヒー ココア オレンジの皮 レモンの皮 ミント ややオイリー

【ミドル】:ボディはおだやかに広がるイメージ スポンジケーキ レーズン 生姜 グランマルニエ(オレンジの皮とシロップのような甘さ) やや燻製 煙 ミルクチョコレート アーモンド ナッツ 木材

【フィニッシュ】:鼻抜け優先(++) 返りもしっかり(+) 焦げた麦感 エスプレッソコーヒー(++) キャラメル チョコレート レーズン プルーン グレープフルーツの皮 程よい渋み 唐辛子


マッカランの”エクセプショナル シングルカスク” 第一弾。フィノシェリーバット。

通常イメージするフィノシェリー熟成は割と酸味のある、どちらかというと淡麗な印象がありますが、さすがはマッカランです。

しっかり濃厚かつ重厚な仕上がり。手加温しながら時間をかけて飲んでいくと、マッカランらしい柑橘系の果実感が顔をのぞかせます。

続く第二弾 Macallan 1980/2001 (59.3%, OB, ESC Release II) がまた強烈です。。。

**くりりんさんのESC3から流れを引き継いでESC1の過去記事をアップしました。

シグナトリのダンピーボトルでは60年代後半のバーボンカスクがリリースされていて、同時期蒸溜のファークラスともども「オロロソシェリーカスク」でなくても、ちゃんと柑橘系のフレーバーが載るんだなとそれらを飲んだ時には感心しきりでした。

本フィノシェリーバットはいわゆる「サマローリ」のロングロウ等の酸味の方向ではなくて、しっかり赤みのある濃厚なブドウのフレーバーが堪能出来ますし、なおかつ「重くない」「渋すぎない」という、後口のいいフィニッシュです。事前に思った「変化球」予想を覆すその「王道」ぶりに本当に驚いたものでした。

それでも蒸溜年的に原材料の影響なのか、ボディの厚みという点では往年のボトルのそれとは輪郭が異なり、しかしながら香りや実際のフレーバーは往年以上の鮮度を誇るという、なんとも後のマッカランとの過渡期にあって、やはり歴史的ボトリングであったんだなと感慨深い思いがあります。

ドロナックにもフィノを期待したいところです。

本ボトリングに途中で詰替があったのかどうかは全くわかりませんが、贅沢な話、オロロソ熟成フィノフィニッシュ~フィノ詰め替えであれば、まさにパーフェクトなシェリー熟成のウイスキーが完成するのかなと考えてしまいます。