ボウモア Bowmore 1969/1978 (58%, OB, C#6634 for Giaconne, Frechio & Frasa Import, 75cl) ジャパンインポート表記

タケモトカツヒコ


タケモトカツヒコ (プロフィール


【スコア】 94 pts (個人所有ボトルの評価)


【ファースト】: 薄い琥珀 鋭いアルコール感 軽く据えた香り 開栓直後は感じなかったが、干した麦感+甘いパイナップル(+)+酸味のあるグレープフルーツ(+)が融合し、スイートポテトの香り レモン(+) ミント 植物は葉っぱ 白いネギ 時間と共にカスタード サツマイモ 軽くアーシーな土の層 酢酸

【ミドル】: 程良くオイリー ボディはグレープフルーツのフレーバーにコーティングされ、舌上に留まる(+) ボトムがしっかりしている 酸味が強い(グレープフルーツとレモン) 甘さは程良くパイナップル 直接的な砂糖ではない

【フィニッシュ】:鼻抜け素晴らしい(+) グレープフルーツとパイナップルのフレーバーが勢い良く鼻抜ける 返りは鋭い酸味 甘さは常に果実感と融合している 余韻に往年の66の面影を見る 若いが決してアルコール感とフレーバーの分離はなく飲みやすい


周年イベントで、同C#6634 ボウモア1969/1978 OB for  E・ジャッコーネ whiskyteca at Salo を飲ませて頂きました。

手持ちのボトルと比較すると、飲ませてもらったものは、よりスイートポテト様の香りの層が厚く、甘さが前面に出たボトルで、酸味豊富なグレープフルーツフレーバーはフィニッシュ・余韻で現れた印象でした。

熟成年数で9年相当のこのボトルは、最近リリースの多い93年蒸溜のボウモアで再現されたと個人的に思っていますが、手持ちのボトルを考えても、詰めたてはもっと鋭かったはずで、93ボウモアを未開栓でさらに置いておくと、より角が丸くなり甘さが増して本ボトルにより近くなるのではないかと想像します。

70年を境に存在が影を潜める、ボウモア独特の南国感。

原材料の変化で言っても様々な要因があるのだと思いますが、本69蒸溜で伺えることは、果実のフレーバーがより酸味に振られ、熟成を重ねる毎に、または樽の影響に押されやすくなりピッキングしにくくなった部分も大きかったのではないかと思います。

80年代に入り、この酸味成分は他の製造工程にも影響を受け、行き過ぎた独特のパヒューム香へと変化してしまいます。

ボウモアの60年代を総括し、その後のフレーバーの変遷を探る意味で、本ボトルの存在意義は非常に大きいと言えると思います。