タリスカー Talisker 50yo 1955/2005 (45%, G&M, ‘Secret Stills Number One’ , C#1312)

タケモトカツヒコ

タケモトカツヒコ (プロフィール


【スコア】BAR飲みのため非公開


【ファースト】:濃い琥珀 深いレザー 杏の皮 燻製感しっかり 焦げた麦感は、甘いシロップに覆われている 木苺のジャム 濃厚なチョコレート 青っぽい瓜~バナナ 葉っぱもある

【ミドル】:ボディは決して厚くはなく、エッジもゆるいものの存在感がある 思ったほど渋くない 湿った木材 時間と共にレザーから、明確に動物的脂肪酸 サラミ やや奥底にオイリーな層 舌上に浮遊し、決して滲み込んで行かない テクスチャはシルキーというより、焦げた麦感+オイル+シロップ(ジャム) 決して重くはないが、フレーバーの要素を羅列すると、それぞれは重量があるように感じる(でも浮遊している)

【フィニッシュ】:返り・鼻抜けはコニャックのよう ダークラム 余韻が煙い 燻製感が舌上をコーティング ややざらつきを感じるものの、周りを濃厚なシェリーが覆っている 決してスパイシーではない、渋くない 高貴


G&M シークレットスティル 蒸留所ナンバー1 リリース1。

アイルオブスカイ表記のタリスカー1955、50年熟成。

ジョニーウォーカーラベルの8年 45.8%を飲んでから間もなく、記憶が新しいまま、本ボトルに出会えて何よりうれしかったです。

 

有名なエピソードですが、せっかくの題材でもありますので今回書いておこうと思います。

 

タリスカー、G&M、1955と言えば、黒イーグルラベルにもあった王道の組み合わせです。。。

でも。。。

カスクナンバー1312。。。

 

90年代前半、同じくG&Mからリリースされた「カスクシリーズ」において、

【C#1315、1955/1992,50.4%(度数○ラベルと、白凸ラベルの両方存在*カスク違いかもしれません)】

【C#1310+1311+1257、1955/1993、53.6%(白凸ラベル)】

が存在し、蒸留所名が明記されていました。

 

しかしながらC#1312は、G&M”シークレットスティル”の記念すべき蒸溜所ナンバー1。リリース1。事情があってG&Mが、蒸溜所名が明記できないカスクをリリースするという趣旨のボトルです。

カスクナンバーを信じる限り、過去のリリースを踏まえると、連番に当たるC#1312はずっとG&Mが所有していたカスクではないかと推測されるわけですが、2005年になってタリスカーを名乗れなくなった理由があったと考えるしか有りません。

ダグラスレインでTACTICAL、Fiskavaigという名でリリースされ始めたのも2000年に入ってから。1999年までは普通にタリスカーを名乗ってボトリングされていました。

今回G&Mのリリースだからこそよくわかるのは、カスクの取得段階で蒸溜所名を名乗れるかどうかが決まるわけではなく、ボトリング段階での商標登録(ボトラーとしての契約?)にも左右されるのだろうということです。

2000年といえば、丁度オフィシャル10年ラベルもデザイン変更された時期です。

 

さらに最近ボウモア1993がシークレットスティルでリリースされましたが、G&Mはセスタンテやインタートレード、CARATOなど他会社向けの場合、過去にも蒸溜所名を明記してきましたが、独自取り扱いとなると現在に至るまでそうではありません。

英国内外で違うというのならば、BBRでもCadenhead’sでも表記していますので、正解ではなさそうです。

きっとG&M独自になんらかの考えがあるのだと思います。