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震災チャリティーボトリング リリース資料まとめ (最新版:4/6)

 

東日本大震災チャリティーボトリング  –Whiskylink “Cure” Selection–

There are two reasons for drinking : one is, when you are thirsty,to cure it ; the other, when you are not thirsty, to prevent it…Prevention is better than cure.“Thomas Love Peacock”(1785-1866)

「酒を飲むのには二つの理由がある。その一つは、あなたが渇きを覚えたとき、その渇きを癒すため。もう一つは、あなたが渇きを覚えていなくとも、(将来起こるであろう)それを防くためである。。。。備えは治療を上回るから。」

http://en.wikipedia.org/wiki/Thomas_Love_Peacock

イギリスの小説家。父はロンドンのガラス商。独学で古典語およびフランス、イタリア各語に熟達した。10代後半から詩を発表し、シェリーと親交を結んだ。1819年東インド会社入社。以後小説を書くかたわら有能な社員として会社に貢献した。シェリーをモデルにした『夢魔寺院』(1818)、『メイド・メアリアン』(1822)、『クロチェット城』(1831)、『グリル・グレインジ』(1860)など風刺のきいた小説は、A・ハクスリー、ウォーなどに影響を与えた。日本大百科全書(小学館)

ダルユーイン Dailuaine 38yo 1973/2011 (54.5%, Whiskylink Selection No.1, “Cure”, C#10417, hogshead, 120 bts) *1本あたり3000円のチャリティー含む **ボトリング本数は予定です


【ファースト】:琥珀 透明感のあるライチ ドライフルーツ マスカット~種なし葡萄 金平糖 蜂蜜 干した麦感 程良く焦げている印象

【ミドル】:ボディは輪郭がしっかりしていて分厚い 麦感は芯が通っている 蜂蜜 時間と共にバニラ、ミルクチョコレート、ナッツ、奥からオレンジマーマレード レンゲの花

【フィニッシュ】:返り・鼻抜けともにパワフル 麦感しっかり 甘さひかえめなパイナップル 和三盆 ミントの葉 舌の上・喉の奥に留まる とても余韻が長い 時間と共にミルクチョコレート

現在でこそヨーロピアンオーク樽熟成が、アメリカンオークのそれに「勝るとも劣らない」ポテンシャルを持っていることは広く知られてきていますが、ダルユーインは古くからヨーロピアンオーク樽にこだわってきた代表的蒸溜所。樽負けすることがなく、大麦の骨格を最大限に引き出したテクスチャに感服します。

 

ダルユーインは、タリスカーと共に「ジョニーウォーカー」の中核をなす2大メインモルト。

生産されるモルトのほぼすべてがブレンデッド用として提供されてきた背景から、シングルモルトとしてのリリースは少数。

1852年、地元キャロン村の農夫ウィリアム・マッケンジーにより創業され、ゲール語で「緑の谷」の意、「モルトウイスキーの偉大なる母」とも称されます。

1898年マッケンジー社はタリスカー、インペリアルと合併。ダルユーイン・タリスカー社を設立。

ダルユーインにとって1973年蒸留はまさしくビッグヴィンテージであり、UDレアモルトにおいて22年熟成としてリリースされたことでも知られています。当該ボトルは現在市場において、多数のリリースが行われた同シリーズの中でも最高ランクの評価を受けている存在です。

直近では2009年、ザ・ネクター デイリードラムから発売された35年47.6%が記憶に新しいところ。

また1973年は同蒸溜所においてサラディンボックスによるモルティングが実施されていた時期と重なり、本セレクションでは55%を誇るアルコール度数と相まって、持ち前の極厚ボディとロングフィニッシュを堪能することが出来ます。

透明感のあるライチ、ドライフルーツ、金平糖、芯のある麦感、バニラ、ミルクチョコレート、ナッツ、奥からオレンジマーマレードのフレーバー。しっかりとピーティー。時間と共にクリーミーに変化。


カリラ Caol Ila 29yo 1982/2011 (54%, Whiskylink Selection No.2, “Cure”, hogshead, 120 bts) *1本あたり2000円のチャリティー含む **(現在のところ)カスクナンバー表記不可 ***ボトリング本数は予定です


【ファースト】:琥珀 リンゴや梨の果実感 麦感しっかり 乳酸・オイリーさは比較的穏やか オリーブ ナッツ クリアな印象

【ミドル】:ボディは長い時間広がり続ける 時間と共に奥から程良く香り出る、練乳イチゴ~木苺~プラムのようなフレーバーが印象的

【フィニッシュ】:返り優先 鼻抜け十分 麦感 黄色い桃 バナナの皮の印象 バタークッキー 海藻 塩塩 かなりブリニー ミネラル分豊富 スパイシーさも合わせて角が立っていない ヨード感も控えめ

LIGHT&MELLOW。古き良きカリラのキャラクターをしっかり受け継いでいると思います。熟成感高く、度数以上に杯数を重ねやすいです。

 

1846年 ヘクターヘンダーソンにより設立。ゲール語で「アイラ海峡」の意。スコットランド西海岸でも最も美しい場所のひとつ。

1920年 バロックレイド社により買収。

カリラといえばバロックレイド、オールドラリティーという印象でありますが、ジョニーウォーカー、スウィングの原酒でもあります。

1982年ヴィンテージではLMDWの2009年ボトリング、TWAの記念すべき1stリリースでのパーフェクトドラム採用など、すでにその高い評価は確立されたかに見えました。

しかしカリラはブレンデッドウイスキー原酒ニーズに応えるため、ピート焚きに段階を設定し、使い分けていることでも有名。

幸いなことに、私の知る限りどの1982ボトルとも被ることがないスタイルを持った、同年蒸留樽と出会うことができました。

本セレクションは、バロックレイド時代の売りである「LIGHT&MELLOW」を地で行くような、古き良きキャラクター。決して鋭いだけではあ りません。29年を数える熟成を経て乳酸感は皆無。アルコール感は分離しておらず、それでいてフレーバーのレイヤードは見事。杯数を重ねていけるカリラだ と思います。

奥から程良く香り出る、練乳イチゴ~木苺~プラムのようなフレーバーが印象的です。

またセレクション2本を並行に飲んでみると、ダルユーインの極厚ボディに、カリラのドレッシングという、相性良く共鳴することを体感いただけるはず。。。

共にコンセプト通り「癒し」を与えてくれる存在だと思います。

 


【Whiskylinkセレクション”Cure”  ボトリング経緯】

2009年タケモトカツヒコがBB&R日本支社設立にあわせて表敬訪問。ウイスキー全般についての意見交換を行い、同社の服部氏と意気投合。オリジナルボトリングを行うためのカスク探しを開始する。

タケモトの日本におけるウイスキー活動を知った英国BB&R本社は、スピリッツバイヤーのダグ・マクアイヴァー氏 (スコッチウイスキー”トップ・シングルモルトガイド”著者、ウイスキーマガジン寄稿者) 自ら、カスクサンプルを選抜。

2010年年末、日本支社にてテイスティング。感銘を受けたタケモトは提示されたサンプルからダルユーイン1973、カリラ1982のボトリングを即内定。

2011年2月 六本木ミッドタウンで行われた”Malt Night 3rd”に参加した有志によって、ダルユーイン1973のブラインドテイスティングを実施。

2011年3月 東日本大震災発生。両カスクをチャリティーボトリングとしてリリースすることを決意。


【タケモトカツヒコ】

薬剤師・会社役員  福島県いわき市在住  2009年ブログ「薬剤師87のテイスティングモルト」を公開。日本でのウイスキーテイスティング、ボトルに対する評価など、ウイスキーに関する言論を 一般化するため連日記事を執筆。自身が所有するレアボトルを提供するイベント”Malt Night”をいわき、大阪、東京にて開催。2011年複数人のテイスティングコメントを集約し、データベース化を行う「Whiskylink」を始動。

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