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グレングラッサ Glenglassaugh 41yo 1972/2014 (50.6%, OB, Rare Cask Releases Batch 1, C#2114, Matured in the finest Sherry Butt)

YOYOKARE

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タケモトカツヒコ (プロフィール


【スコア】 95.5 pts (抜栓直後)


【ファースト】:濃厚かつ赤みを帯びた琥珀 久々に卒倒 モロに顕著なイチゴジャム(+++) 瑞々しい巨峰(+) 杏 レーズン スミレの香り(+++) 完全に60~70年代の濃厚シェリーなスプリングバンクを彷彿とさせる 意外なほどチョコレートが出ない 時間とともに赤肉メロンの香り(+++)(これが最後まで続く) 酸香少ない 突出した草っぽさは皆無といっていい マイナス点はない 高貴  

【ミドル】:非常に繊細なボディ 軽く燻製優先のピート感 イチゴ(++) 赤肉メロン(++) 複雑(+) ボディの輪郭はずれていない ややシェリー層の奥からトロピカルな果実感を探るイメージだが、75TWAのベンリアックの樽感よりも遥かに高級感に満ちている(+++) やはりフィニッシュ樽次第なのか 今回はベンリアックにあったケミカルさも感じない 時間とともにややオレンジ系果実が前面に出てきて、シガーと合わせるともう良い頃のマッカラン、しかもグランレゼルバ18以前の質感 

【フィニッシュ】:鼻抜け優先 この段階でも香りの上面発香素晴らしく赤肉メロンが効いている(+++) 締まるタイプの渋み(長熟っぽいというべきか) やはりいちごジャム スミレ 緑セスタンテ時代の香木っぽさ もうこれは従来のグラッソじゃない 和三盆の甘さ


もう正直驚きました。全く別モノです。

ですが同時に、お世辞じゃなく、事前の期待を突き抜けた満足度がそこにはありました。

「the finest」の冠に違わず、かっちり仕上げてきています。近年型はフィニッシュの樽次第なんでしょうか(1年以上詰めてたら熟成表記される模様ですし、詰め替え前提なことは明らか)。こんなにも質感からして印象が変わるとは。公式コメント通り、しっかり持続する赤肉メロンがあります。注いでからしばらく経過してからのほうが顕著です。

とりあえず今年のMMAゴールドメダルはまず間違いないかと。


また本リリースの狙いが往年のスプリングバンクやマッカランあたりにあると見ました。

今でもやろうと思ったら出来るんですね。紫煙と合わせて香っていると、自分が飲み始めた頃のスプリングバンクやマッカランと記憶が直結します。ああこうだった、そうだったと。

ダンピーウエストハイランドのようなレザー感とかそういう系統ではなく果実系充実のほうの、サマバンク系の質感です。イチゴモロで、スミレで、甘さ和三盆で確定。間違いなく高貴なシェリー樽由来成分。


ここ数年、これ以上美味かったシェリー現行はなかったですし、ダイアモンドジュビリーマッカランや、DLPTバンクにもあったような、いかにもナッティーな、ビターチョコレート感が残るシェリー樽じゃありません。

(中身のみの評価として。価格は確かに褒められたものではありません。)

【グラス】

手持ちではブルゴーニュグラン・クリュが圧倒。小さめなグラスよりも大きいボウルがオススメです。

68、73マンサも順に開栓レビュー予定。ブロマガでより詳細な蒸溜所レビューを連載中です。