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【ウィスキー日記】カナディアンクラブ 1940年代流通

大雪からの大雨コンボで、今日は一日こもりきり。
ブランチをしっかりつくって、子供と遊んで、業務経費を妻に申請して(あれ?w
一日家族で過ごしたくりりんです。

今夜の晩酌は、昨日がオールドでしたので、さらにオールドもオールドなボトル。

IMG_8843

カナディアンクラブ
1940年代流通

度数及び容量表記無いため不明。
おそらく750ml 40%

柔らかい甘さと軽やかな香り立ち、バニラ、サトウキビ、小麦やトウモロコシなどの穀類を思わせるアロマ。
口当たりは柔らかくボディはライト、全体的に緩やかで薄めた糖蜜、バニラの甘さ。
フィニッシュはウッディな苦味を感じた後、ゆっくりと後に残らず消えていく。
まさにライド&スムース。


Whisky linkの記事では初めてのカナディアン。
ラベルにキングジョージ五世の没年(1936年)表記があるので、それ以降の流通と思われるボトル。
また1950年代流通以降のものとはラベルやボトルタイプが違うので、1940年代流通と見るのが妥当でしょう。
今から実に70年ほど前のボトルと言うことになりますね。
カナディアンウィスキーは劣化に強いのか、オフフレーバーらしきものはあまり無く、今でも普通に飲むことが出来ます。

IMG_8844
(キングジョージ5世の国王在任期間1910-1936の表記、
キングジョージ6世の没年1962年以降は、この下にキングジョージ6世の表記が入る。)

カナディアンクラブといえば禁酒法時代前後の大躍進無くしては語れません。
特に禁酒法時代まっただ中、アルカポネが密輸するために開発させたというスキットル型のボトル(ゲートボトル)は、
オールド好きならず、話を聞いた人なら一度は興味を持つのではないでしょうか。
禁酒法の時代は1920年から1933年、今回のボトルはその後のモノになりますが、
時期的にまだまだバーボンは復活しておらず、アメリカ市場を席巻していたころのものです。

※ご参考※
こちらのページでカナディアンクラブのブランドセンターを紹介していますが、
今回のボトルと思しきものや同様のデザインのボトルが、いくつか掲載されています。
アルカポネのゲートボトルと今回のボトルが並んで撮られた1枚もありますね。

 

穀類を連続式蒸留するカナディアンやバーボンは、
総じて同様の蒸留方式で作られるグレーンウィスキー系の味になります。
特にカナディアンは樽が新樽縛りではないためか、バーボンに比べて樽香が柔らかいものが多く、
穀類由来の香味、バニラのような甘さ、文字通りスムースでライトを地でいく酒質。
蒸留方法の関係もあってモルトやブレンデットのように、オールドだからと劇的に味が変わるようなことはないため、
今回のボトルも、禁酒法時代のものとその香味において大きな違いは無いと考えられます。

そう、つまりは現行品でも違いは少ないはずなんです。
ところが現行品と、オールド(1980年代以前)のカナディアンクラブを比較するとまったく味が違います。
現行のカナディアンクラブをディスるつもりはありませんが、
蒸留方法の効率化による大量のアルコール精製は、こういう形で味に響くんだなぁと感じる、
現在のウィスキーを見る上でも、ひとつの指標のようとなるように思えてくるのです。

BAR等で見かけましたら、現行品とオールドとの飲み比べをすると、面白いと思いますよ。