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スプリングバンク Springbank 1966/1998 ‘Local Barley’ (56.8%, OB, C#493)


【スコア】100pt
【開栓後】不明
【残量】60%

【香り】
上質なタンニン鞣しの革を思わせる芳しいレザー感。樽香は露骨ではなく蜂蜜やカラメルの甘さをまとっている。ミード。キノコ。シナモンとミント。ブラックベリージャム。ナッツ。オレンジピール。沸き立つ香りに圧倒される。 香りの強さの桁が違います。

【味わい】
バタークッキーなようなゴージャスな麦の甘み。フレッシュなイチジク。蜂蜜。ベリージャム。烏龍茶,薄っすらと松脂や杉の香り。タイムとクローブ。塩は感じない。ボディはしっかりしていて,芳醇。

【総評】
モルトの香水の意味がスッと腹に落ちる一杯。グラスから爆発的に立ち上る芳香の嵐。とにかくニヤニヤしてしまう。あまりに美味しい料理を前にして言葉を失う感覚,まさにあれです。奇跡のボトル。文句のつけようがありません。極まっています。

私がテイスティングする際には,まず香り全体としてのファーストインプレッション(素晴らしいとか,好みでないとか,そんな単純な直感レベル)をキーに,「何故そう感じるのか」を解き明かすべく,細かな要素を拾っていくようなやり方をすることが多いです。しかし,このモルトについては「なにこれ,凄い!美味すぎる・・・」とニヤニヤするばかりで,要素を拾うことなどしばらく忘れていました。本当に琴線に触れるモルトはロジックを吹き飛ばしますね。感嘆の一言。

このボトル,実は2杯頂いたにも関わらずニヤニヤし過ぎて要素を拾いきれていなかったり。お恥ずかしい。しかしながら,分析的に飲むのではなく何も考えずに味わうのも,楽しむという意味では有りだと思っています。

いやぁ,これはボトルが欲しいです。全財産持って発売当時に戻りたい。今でも手に入れる機会はありますが,価格的には払っても惜しくないものの,フェイクが怖くて中々思いきれません。いつかボトルを抱えて,抜栓後の変化を含めて味わい尽くしたいものです。