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山崎 Yamazaki 1995/2008 (61%, OB, C#5R70325, Hogshead, 58/168) 絵里香40周年記念ボトル

タケモトカツヒコ
タケモトカツヒコ

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タケモトカツヒコ (プロフィール


【スコア】 BAR飲みのため非公開


【ファースト】:琥珀 蜂蜜(+)  ゴマかりんとう(++)   厚みを印象づける発香 融合感 高級感のある和三盆(++)  少々焦げている麦感 全体を包む”蝋蜜”状の層 重さを感じる

【ミドル】:ボディ膨らむ  濃厚な焼きプリン(+)  カスタード(+)   透明感がある  マシュマロ(+)

 【フィニッシュ】:ベタつきがなく  高級感のある甘み  余韻素晴らしい  鼻抜け素晴らしい   軽く生クリーム(++)   ピリピリする  唐辛子  シシトウ 軽くウッディ


山崎 オーナーズカスク 1995/2008。Hogshead、近江エイジングセラー表記。

絵里香さんの40周年記念ボトル。61度。

私の山崎に対する印象はこの一本で大きく変わりました。率直に素晴らしい。

1995年蒸溜。ウイスキーで言えば「ごく最近」蒸留した13年熟成樽で、この完成度というのは驚きという他ありません。

山崎らしいというべきか、ジャパニーズらしさの面を挙げると、全体として素晴らしく高級感があり、複雑なフレーバーの塊でありながら、スコッチ・シングルモルトと比較すると、なかなか分解してそれぞれの要素をピッキングし難い印象があります。

それだけ融合されていて、密度が高いということでしょう。

これは決してウイスキーとしての味覚にマイナスになるわけではないのですが、味覚を共有しようとすると言葉にしにくいかもしれません。全体的にこういう感じということは可能なのですが、複雑な各要素を分離して拾いにくく、なかなか難易度が高いです。

これはスコッチに比較して、比較的分子量の大きいカルボン酸エステル、または高級脂肪酸が占める割合が高いということなのでしょうか?フレーバーの前面に上品に全体を覆うような、重さのある層があります。

いわゆる、南国フレーバーであるとか、リンゴや梨のような、スコッチによくある表現は、成分を推察するに、低分子のカルボン酸エステルから来ていると思われますが、思い返してみても、意外とこう言った要素をジャパニーズ・ウイスキーに感じることは多くありません。

この内容の山崎が年に数回OBで出てくれば、もっとジャパニーズ・ウイスキーファンは増えると思いますし、 95年蒸溜ですから将来にも期待できます。

多くのことを考えさせてくれた本ボトル。

ヴァッティングなしで、13年熟成にしてこの複雑さだとすれば、もはやスコッチ感覚で言えば奇跡的。データ的にあらかじめ設計をして、この内容に近いものが作れるのだとすれば、間違いなくガンガン作られたほうがいいと思います。

スコッチ好きほどビビる、山崎です。