注目キーワード
  1. Bowmore
  2. 1966
  3. Samaroli
  4. Sestante
  5. Intertrade

2本のグレントファース


【The Whisky Agency】

Glentauchers 35yo 1975/2010 (47.3%, The Whisky Agency, “Still Lifes I “, 189bts, Ex-Bourbon Hogshead) 230119

【TWA for SMS】

Glentauchers 34yo 1975/2010 (43.7%, TWA for SMS, “Taster” selected by Cersten Ehrlich, 036/158bts, C#8883) 230105


2011年の幕開け。今月は2本のグレントファースに出会いました。

青リンゴやレモンのような「酸味豊富な果実的フレーバー」は共通ですが、ボディの印象はひとつは「厚み」、ひとつは「微炭酸」を思わせるフレーバーで、それぞれに個性的です。

既に有名になっている蒸溜所、ヴィンテージを味わうことも、もちろんうれしいことではありますが、未だ知られていない魅惑的なカスクを世に出して、飲み手に感動を与えるというのは、ボトラー冥利に尽きる出来事でしょう。


ウイスキーのムーヴメントは、やはりいつの時代もニューリリースが担っていると思います。

60年代のカスクが出回らなくなり、ブローカーが跋扈する現在、往年の名ボトルから推測されるヴィンテージやハウススタイルの記憶も、あまり役に立たなくなってしまいました。

手探りの中から、クチコミやWEB上の評価で浸透した情報を参考に「当たり」を引き当てることも楽しみだと思いますが、今回のトファースのように「期待値」を超えるニューリリースに出会うと、それを上回る充実感が得られるような気がします。


ゲラヒ、インチガワ、トファース、スコシア、キャパドニック。

力強さが魅力のアイラ、濃厚な味覚が魅力の一部蒸溜所が先導したムーブメントから、透明感があり、少しバランスを崩すと割れてしまいそうな「ガラスの繊細さ」を持ったウイスキーへと徐々に関心が移ってきているのかもしれません。

確かに圧倒的なパワーだけが、ウイスキーの魅力ではないですよね。