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グレンドロナック GLENDRONACH 1972-2010 37yo(54.4%, Cask#703 Bottle#304 OB)


GLENDRONACH(グレンドロナック)
Distilled: 1972/2/28
Bottled: 2010/01
Age: 37yo
Strength: 54.4%
Cask type: Oloroso Sherry Butt
Cask No: 703


【テイスター:くりりん】
評価:★9/10

香り:発泡感のある香り、微炭酸のようにしゅわしゅわと揮発してくる上品で艶のある甘さ、アルコールもある。
イチゴ、ベリー、レーズン、まさに手作りイチゴジャム。微かにトーストのような香ばしさ、和菓子の白玉ぜんざいのような香りも感じる。
奥にはプルーンのようなどっしりとした重量感のあるダークフルーツがあり、時間と共に前に出てくる。
微かにウッディさ、酸味も感じる。濃厚でありながら非常にバランスの良い、
独特のフレーバーを身に纏ったシェリー香で、他の蒸留所のシェリー樽熟成とはまったく異質なものであるように感じる。
言うならば官能的、とにかく素晴らしいの一言。

味:甘酸っぱく上品なフレーバーが一気に広がる。
フルボディ、重量感があるがしつこい味ではなく、香りで感じたままの果実感がある。
まずはシャンパンのような葡萄系の甘さ、甘さのある赤で発泡ワインがあるならまさにそれ。
フレーバーの広がりと共に、優しい微炭酸のような刺激を舌に感じる。
続いて熟した木苺や種無し葡萄、レーズン、ブルーベリーティー、ベリーチョコレート・・・
タンニンは程よい程度で、甘さ、酸味、渋み、40年近い熟成とは思えないほどバランスが取れている。
鼻抜けはベリー感と和菓子系の上品な甘さがしっかりと抜ける。余韻はタンニン由来のビターさが蓄積していく。
ややウッディーで甘さ控えめのイチゴジャム、チョコレート、焙煎コーヒーの酸味、飲むほどに長く蓄積が続く。

まとめ:注いだ段階から圧倒的な香りの存在感、甘く上品な香りが部屋を満たす。個人的にはシェリー樽熟成完成系の一本。
特級時代のクリアダンピー18年にも同様のフレーバーがあるが、カスクストレングスゆえバランスは好み次第。
どちらも大変素晴らしいボトルである。
また注意深く飲めば、シェリーが支配的ではないグリーンダンピーの12年にも同様の傾向があることが感じられるのは興味深い。
この奇跡的なシェリー感はどこからくるのか、樽か、酒質か、過去のオフィシャルを見る限り酒質と言えそうだが、
同じ72、71でも樽によってはこのフレーバーが出ていないボトルもあり、酒質と樽のあわせ技と見るべきか・・・

いずれにせよ、飲み手としては飲めるうちに飲んでおきたい、大変素晴らしいボトル。
これほど官能的で艶のある甘さの、フルーツ感のあるシェリー系モルトは、
ドロナック1971、1972ビンテージの一部を除いてなかなか見つけることはできない。

個人的には死ぬ前に飲みたいモルトのひとつでもある。


【テイスター:ゴーヤー】
評価:★9/10

色合い:ダークアンバー

香り:赤メインなんだがフレッシュさもある複雑な葡萄感、デラウエア、ロザリオ、巨峰、
ピオーネ、高尾、木苺、カラメル、シェリー樽感、アルコール感。時間を置くと、香ばしいような黒糖的要素も感じる。
少し注いだだけで、卓を囲むすべての人にワカルほどに充満する、華やかで強い、甘すっぱく深く熟成した官能的なそれ。
経験した中では、71.72.68あたりのビンテージのドロナックにだけ感じる、ワインを思わせる香りです。

味わい:サラッと滑らかな舌触り、度数なりの強さは感じるが、それ程はオイリーではない。
まとわりつくような濃厚ベリー感、上品なレーズン、ツヤのある葡萄、綿あめ、カモミール、木の感じ、
なんていうか優雅なエステリー、少しスパイス、クローブ、シナモンなど。
最後に少しの樽系の苦みは本気ビターなダークチョコレート、ベリー感の戻り。

まとめ:これはマジ美味。どうしてこんな突き抜け方ができるのでしょうか、
何をどうしたら麦の酒でこんな風味になるのか本気で探りたくなるな。


先日の浅草会の際、持参いただいたボトルを強奪。

まっつんありがとう。
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