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川崎1982-2009“ICHIRO’S CHOICE”65.4% Malt Maniacs Awards2010 受賞



ICHIRO’S CHOICE
SINGLE GRAIN WHISKY
KAWASAKI 1982

Aged 27 Years
65.4% 700ml
Distilled: 1982
Bottled: 2009
Distillery: KAWASAKI
Warehouse: YAMANASHI
Bottled: CHICHIBU
Cask type: Refill Sherry Butts
Bottled No: 444/668

スコア:78点(グレーンとしての評価は88点)
テイスティング:オープンテイスティング
テイスター:くりりん


【テイスティング】
香り:グラスに注いだ瞬間から、甘酸っぱく濃い上品な香りがふわりと鼻腔をくすぐる。
イチゴジャムがかかったハニートースト、バニラやほのかに梅のような香り。少し焦げたような硫黄感に、グレーン特有の植物系のクセ、そしてクリーンなアルコール感。
まさにデザートのためのウィスキー。グレーンの甘さがシェリーでさらに際立つ、濃い甘さのある香りだ。
加水すると焦げ感と酸味が一歩前に出てくるが、バランスは崩れない。

味:口の中に力強く広がる粘性のある甘酸っぱさ・・・木苺やラズベリーのジャム、レーズン、木の渋みに硫黄感が少々、
スムーズだがオイリー、グレーンのあの甘い味わいをさらに濃縮したような黒蜜のようなフレーバーが押し寄せてくる。
中間の複雑さ、厚みはそれほどでもないが、逆に味わいに透明感があるとも言える。スパイスは微量ある程度であまり感じない。
鼻抜けにもしっかり甘さがあり、全体的にリッチでメロウ。余韻はドライフルーツ(ベリー系)とメイプルシロップや鼈甲飴、バニラアイス、ほのかに硫黄。
どこか懐かしさを感じる味わいで、舌の上にシロップのような甘さ、そしてビターさが長く持続する。


コメント:Malt Maniacs Awards 2010でまさかのNon-Plus-Ultra Award 2010 (Premium)を受賞、
プレミアムカテゴリーに入ってしまったのがこの川崎1982。思いもよらぬところが入っていてびっくりしました。
これは日本に流通したモノと同じモノと思われます。(年代、ボトリング本数、度数共に同じ)
偶然にも我が家で1本買っていたので、こりゃ丁度良いと、改めてテイスティングしてみることにしました。

開封して約1年程度は経過しています。口開け時は強かったアルコール感も幾分和らいで、味に良い一体感が出ていました。
くわえてグレーンがギスギスした印象があったのですが、経年変化が良い方向に作用したようです。

シェリー樽モノというとモルトの、例えばマッカランやファークラス、グレンドロナックを連想しますが、
グレーンなのでどこかバーボンチックでもあり、モルトのシェリーとは違う印象のフレーバーです。
65.4%と高度数で、香りにはそれなりにアルコール感がありますが、口の中で度数ほどのアタックはありません。
確かに角というか口の中を刺激する感覚はありますが、それを補って余りある濃密ながら上品さもある甘さ、フレーバーの一体感があるいいウィスキーです。
グレーンとシェリー樽って相性良いですねぇ。食後の締めに甘みがほしいときにどうぞ。


※アルコール感が気になる方は、リーデル・ヴィノム・モルトテイスティング(写真のグラス)等のストレート形状のグラスを使うと、軽減されて美味しくいただけます。