5/26 その7
・ウィスキーディナー後半
三皿目は魚料理…と思ったらジビエだった。「キジの胸肉の豆マリネロースト」と「JURA Superstition」のマリアージュ。
キジ肉は赤身で、しっかりと火が通っている。脂身は全くなく、肉はどっしりと詰まっており、イギリス人が好きなタイプの肉だと思う。僕も結構こういうタイプは好きなのだが、日本人の中には「なんかパサパサしてるなぁ」という印象を持つ人が多いかもしれない。JURA Superstitionとのマリアージュは素晴らしく、軽いピート感がキジの野性的な風味にマッチする。
この時点でかなりお腹一杯だったのだが、残るはメインディッシュのみ。後一皿くらいならなんとかいけそうだ。
と思ったら、ここで口直しのシャーベットが出てきた。
見てもらえば分かる通り、日本人の感覚で見れば「口直し」という量ではない。普通にデザート並の量だ。生クリームとか乗ってるし。
でもまあシャーベットなので、なんとか平らげてメインディッシュに備える。
四皿目はメインディッシュ。「アイラ島の鹿の背肉のロースト」と「CAOL ILA Distiller’s Edition 1997」のマリアージュ。
鹿肉はこれまた完全に赤身で、脂身は全くない。だが珍しくミディアムに仕上げられており、少し肉に赤さが残っている。味はよくあるステーキの味で、歯ごたえは牛などと比べると固め。噛みしめると肉汁があふれ出る。羊や馬のようなクセはなく、食べやすい。カリラとのマリアージュもよかった。こういうタイプのヘビーな肉にはアイラ系ウィスキーはよく合うと思う。
…それにしても肉の一切れが大きい。間違いなく2切れで200グラムくらいはある。しかもマッシュポテトも乗ってるし。なんとか完食したが、アンドゥーさんはもうお手上げのようだった。
最後にデザート。「ココナッツとマリブのアイスパフェ」と「LAPHROAIG Quarter Cask」のマリアージュ。
そうだったデザートがあったんだ…しかもサイズがすごい。ジョッキみたいなグラスにココナッツアイスがみっしり詰まっており、底にはなんと巨大なチョコレートの塊が入っている。ここでさすがにギブアップ、残念ながら完食できなかった。
ラフロイグとのマリアージュだが、僕はそもそもラフロイグがあまり好きではないので判定できなかった。強いて言えば、アイスのココナッツ風味とラフロイグのヨード感がマッチしているかも?
食後の紅茶とウィスキータブレットと「BUNNAHABHAIN Darach Ur」。
このブナハーブンは割と僕の好みだった。甘味があり、ピートヨードは少なく、かなり木の印象が強い。
以上でウィスキーディナーは終了。このディナーだが、量が多かったということを除けば最高だった。というか別に「量が多い」ということは欠点ではないので、つまり単純に最高だったということだ。マリアージュも、全部アイラモルトという制限された範囲内で、よく考えられていると思う。
・明朝の出発準備
トレーラーハウスに戻り、明朝の出発の準備をする。
最後になるので、写真を取った。廊下もドアも人一人がギリギリ通れるサイズだが、ぶっちゃけ全然気にならない。
ベッドルーム。僕はみなさんのご好意によりダブルベッドの部屋を使わせてもらっていた。
部屋の片付け、荷物の整理をした上で就寝。
明朝は8時発のフェリーでアイラを離れ、キャンベルタウンへ向かう。