サマバンク(Springbank 12yo 100Proof Sykes OB/Sam)に思う
【嗜好品の経済的立ち位置の違い】
Malt Night 第8回の再飲イベントを終えました。このイベントでサマバンクは4本開けましたが(1本は空瓶を結婚記念にプレゼントしました)、もう、サマバンクの素晴らしさとともに、ある意味自分の役目は果たし終えたな、という感慨があって、何やら胸が熱くなるような気持ちがあるのですが、このボトルには、従来ウイスキーに対して抱いてきた「疑問」や「あいまいだった」部分に対する答えもあるような気がして、まだまだ頭から離れません。
【嗜好品の経済的立ち位置の違い】
音楽や映画であれば、相場というものがあります。CDアルバム3,000円、映画なら1,800円とか。こういう「コピー可能」な嗜好品なら、相場は落ち着くし、あとは「何部」売れるのかという部分が、大衆にいかに注目されたかの結果だと思うのです。注目は集めたものの、感想が良くないという事もあるので、売れた数=良い物とは一概にいえないとは思いますけれども。
一方、コピーするにも限界があるという、生産数に意図的かそうでないかは別として、自ずと生産最大数値は決まってくると思います。
ウイスキーにも「相場」からかなり逸脱した、流動的な市場価格においては高額商品、今回のサマバンクのような存在があります。
でも、サマバンクはリリース当時は、他の同種同類ウイスキーに比べて、大して高かったわけではありません。サマローリ氏が当初から異常に高く値付けしたわけではありません。
これも周囲の人間が生んだ価格です。
ただ飲んでしまえばなくなる(有限資産2400本)という要素もあって、さらに飲んだ人の感想・評価によって、値段はうなぎのぼり。現在では他の同種同類ウイスキーの相場価格から、遥かに逸脱してしまいました。
とはいえ数百万円程度。車のように何千万とかいう話ではありません。
でも多くの人にとって、金額だけみれば、非常に高額という嗜好品です。
それもウイスキーの一要素なのかなと思います。
そこに手を出す人もいますが、そうでない人のほうが圧倒的に多いでしょうし、求める人求めない人どちらが正しいとも言えません。
ただもう自分の場合は、味わってその中身の良さが理解出来たし、それを仲間で分かち合えたし、手に入れてさらに飲んで良かったなと心から思います。
「エンターテイメントとは非日常」というのがウイスキーだけに限らず持論でもあったりはするのですが、自分がとことん好きな場合は、既存の常識から逸脱しても良いと思えるのは、ある意味狂気でもあるなと思うわけです。

