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【ウィスキー日記】ボウモア1969-1979 56.2% バイセンテナリー イタリア向け

ブログを書き始めると、ネタが溢れて止まらない、
あぁ、あれも書ける、これも書ける、
むしろ書かなきゃもったいないみたいな、そんな感じ。

川口会のネタも消化仕切れてないし、IANのネタも大量にある、この前ハセガワでいくつか試飲もした。
けれどネタには鮮度があって、刻々とそれは落ちていくし、
何より自分が感じた感動が、記事を書いていて反映されなくなってくる。
(つまりそれが鮮度切れってことなんでしょうね。)
やっぱり理想的には、飲みながら書くのが一番なんだよなと思うわけです。

ちょっと前、ウィスキー仲間の間でボトルの貸し借りをして、
中身をじっくり堪能したら返すというようなことをしました。
酒飲みなんてそんなことしたら全部飲みきるか、こっそり他の瓶に移し替えてしまうだろ、
なんていう心配事はありませんでしたね。じっくり楽しんだ後、ありがとうといってボトルを返す。
なんだかすごく良い関係が築けているなとかんじたところでもありました。

くりりんは家飲みでじっくり飲ませてくれる、サンプルボトルの提供を希望しております(笑)。

さて、長くなってしまいましたが、本日のボトルは昨日に引き続き、日本橋IANにて。
現行とかオールドとか、そんな部類じゃない領域の一本です。

 

 

ボウモア
バイセンテナリー イタリア向け
1969-1979(10年)
BOWMORE Bicentenary for Italy
Cask type: Sherry Cask
750ml 56.2%

香りは湿った土、花の香り、徐々にビターな苦みを伴うピーティーなアロマ。
口当たりはハイプルーフらしく若干の粘性を伴って力強い。
花の蜜の甘さと植物質に、パフューム系のフローラルさ、
続いて黒い土を連想させるピートフレーバーがしっかりと広がる。
フィニッシュはそのままピーティーで、グレープフルーツ、パイナップル、麦芽感、
60年代ボウモアらしいトロピカルなフレーバーも奥から感じられる。


通称ボウモアバイセン角瓶。
1779年操業のボウモア蒸留所の200周年記念。
ボウモアのバイセンといえば過去のボトルを再現した、ゆがんだハンドブラウンボトルが有名ですが、
それ以外にも角瓶タイプのボトルがリリースされており、これはそのうちの1本。
(ご参考:ハンドブラウンボトルの紹介はこちらも
加水でリリースされているハンドブラウンボトルとは違い、シングルカスクでカスクストレングス。

300本という流通量、バイセンテナリーということや、蒸留年代など様々なレアリティーから、
通常まずお目にかかれない、もはや幻の1本とも言えるボトルですが、
上述のとおり日本橋のIANで開栓されており、今でも飲むことが出来ます。

その味わいは、 「ピート」、「フローラル」、「トロピカル」、
個人的に過去飲んだボウモアの経験をまとめれば、50年代から近年までのボウモアを構成する
3つの要素が順々に、感じられる構成となっており、実に通好みな味わいです。

正直、60年代に代表されるトロピカルなボウモアを求めるなら、
ダンカンテイラーの1966とかのほうが、圧倒的にトロピカルだと思います。
その点、このボトルは上述3要素のうち「トロピカル」はそこまで強くなく、
奥から顔を見せてくれる程度。60年代!という意識で飲み始めると、
序盤の「フローラル」系のフレーバーに驚かされるかもしれません。
事実、飲む前に抱いていた自分の期待は少なからず裏切られましたし、好みかどうかならDT1966を迷わずチョイスします。

しかしなによりもこのボトルの素晴らしいところは、単一樽においてこれだけの要素を詰め込み、
それでいてバッティングでは中々出せない、シングルカスクだからこその味のよどみの無さがあり、
まさにボウモア蒸留所! という樽でリリースされているところと感じます。

1969ビンテージの短熟でシェリーカスクというと、このボトルも含めてあまりシェリーを感じない構成で、
ジャッコーネボウモア1969-1978や、同タイプのボトルであるところのBAR EDEN向け。
このあたりを連想させますが、ここまで要素が詰まったボトルは無かったです。

 

少々ラベルに酔っているかもしれませんが、
ボウモア蒸留所の200周年を記念するにふさわしい1本。

過去、現在(発売当時)、そして未来(現在)までもが詰まった味わい。
今更記事にする話じゃないかもしれませんが、コアなボウモアファンは飲めるうちに飲んでおきたいボトルですね。

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