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アードベッグ Ardbeg NAS ‘Alligator’ (51.2%, OB, 2011)

タケモトカツヒコ
タケモトカツヒコ

[opentasting]


タケモトカツヒコ (プロフィール


【スコア】BAR飲みのため非公開


【ファースト】:薄い琥珀 想像していたヘヴィ・チャーのイメージよりも穏やか 若々しい 海藻 緑の要素(植物の茎) 煙 ヨード フェノール サラミ 生ハム 干した麦 香木感は無い

【ミドル】:ボディはエッジが丸く、舌上に漂ったのち染み込む印象 ボトムはしっかりしている バニラ 干した麦感豊富 奥からアメリカンコーヒー 時間と共にオレンジ シナモン 渋みは青梅(シアン系)

【フィニッシュ】:返り十分 鼻抜けも素晴らしい 余韻が長く、バニラ 干した麦 コーヒー 時間と共にクリーミーに変化


アードベッグ アリゲーター。

アメリカンオーク新樽を、最もディープにチャーし、樽の内側がクロコダイルの表皮のような柄となることから、アリゲーターというネーミングを行ったとのこと。

ラベルにはFOR ディスカッションと載っていることもありますし、あれこれ飲みながら考えたことを書かせていただこうと思います。

製造段階でのエピソードが頭にあったため、オクトモアのような中身をイメージしていましたが、それは杞憂で、むしろ全体的にまとまりよく、若いですが、荒々しいという感じではありません。

90年代後半のアードベッグの骨格が窺い知れるというか、むしろ飾り気のない無骨なところが好印象です。

むしろモーレンジ寄りというべき、干した麦感が豊富で、フルーティーなウイスキーが続く昨今には、この無骨な感覚も新鮮に受け取れます。

おそらく、本ラベルも1998年蒸溜のヴァッティングだと思われますが、20年前後まで熟成させるとどうなるかということにも興味が湧きますし、この素直なキャラクターは詰め替え、フィニッシュ、後熟でも角を立てること無くうまくマリッジしそうな感じです。

一連の若いNASアードベッグは正直、アルコール感が分離している気がして何度も飲みたくなるという感じではありませんでしたが、本ボトルはその点落ち着きがあり、また飲みたいなと思わせてくれます。

シグナトリダンピーのマッカラン、ファークラス(60年代後期-70年代前半蒸溜)を彷彿とさせる、バニラ・シナモン感があります。これらの蒸溜所がボトラーズに出荷する用の樽は、新樽+チャーのバーボン方式だったのか。。。?

またヨーロピアンオークの、ヘヴィ・チャーなら香木感は乗るのか。。。? 必ずしもシェリーでないと乗らないのか? という部分にも興味が湧きます。

もしそうなら、ものすごく完成度の高いウイスキーになるのではないかと。