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響 HIBIKI 21yo 17yo 12yo


タケモトカツヒコ (プロフィール


【SCORE】BAR飲みにつき非公開


タケモトカツヒコ
タケモトカツヒコ
opentasting

響 HIBIKI 21yo  (43%, OB, Suntory)

【ファースト】:アルコール感度数以上 程なく落ち着きをみせてレーズン、杏の渋みもありそうなシェリー感 さらに時間と共に甘さの奥からレザー感、燻製感(煙は感じない) チョコレートババロアからガトーショコラ

【ミドル】:ボディはしみ込む印象 焦げた麦感 グレーンとの分離感は感じない 焙煎されたコーヒー

【フィニッシュ】:返り優先 スパイシーさもあるが、17・12年ほど尖っていない しみ込むイメージ 燻製感強い ベタつきのない甘さは果実というよりはトリプルセック


先日のワインマガジンの記事を受けて改めて響の現行3種類を飲んでみました。

大賞を受賞した21年と比較すると、17年にはスパイシーさとフィニッシュ部分のパステルさを感じ、

12年は燻製感が少なく、ボディがしみ込むというよりは舌の上で漂う印象、フィニッシュでスパイシーさが目立つ印象を持ちました。

21年は確かにスコットランドのブレンデッドに比べても、各ベクトルのフレーバーが上手くまとまっていて、さすが親和性が高いんだなと思いました。全体的な完成度で比較すれば、同社のシングルモルトを飲むよりも、響の方が上回っているのではないかと率直に感じます。


これは現行でいえばどの国のものでも同じ傾向があるのですが、燻製感や焦げた印象で多少奥に引っ込んだ麦感に重量感を感じますし、フィニッシュで切れ上がる要素がフレーバーのエッジというよりはスパイシーさに依存をしていて、これは後熟工程や瓶内酸化で融合をみせるような類の問題でもなさそうに思いますが、フレーバーは大きく異なっても化学的に親和性の高い原酒をもっと数多くブレンド出来たときには、もしかしたらボディに魅惑的な粘性が出たり(熟成年数のまろやかさとはまた別の)、またはエッジが立ってミドルからフィニッシュにかけて自然に盛り上がる構成になるのではないかなと想像をしました。

特にはやはりゲラヒのようなパリっと割れてしまいそうなくらい繊細かつ華やかなフレーバーのモルトが加わると、軽さが加わって持ち前の重さをより高く昇華させることが可能なのではないかと。

とはいえ響には30年熟成相当(限定で35年も)があるので、これもまた近い機会に試してみたいと思います。以前飲んだものは結構ウッディな感じがしました。

最近モルティング専用の企業が出てきて思うことは、スコッチのブレンデッドでもボディの厚みが出てこないことです。使用している麦自体が品種も製麦も異ならないとあの厚みや粘性は出ないのでしょうか。。。

それとも単純にアルコール収量を求めた品種改良に依るものなのでしょうか。。。?

厚みも粘性もあって、麦感豊富で、その奥から燻製感が程良く漂うような感覚が得られるようになったら、香りの完成度は素晴らしいですから、響が間違いなく世界のブレンデッドのレベルを引き上げる存在になると思います。