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ベンリアック Benriach 41yo 1968/2010 (51.0%, OB, Hogshead, C#2709, 58/104 Bts.) From Speyside to Kobe: Bottled for Bar Main Malt and to celebrate Sone Bussan’s 60th Anniversary


タケモトカツヒコ
タケモトカツヒコ
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タケモトカツヒコ (プロフィール


【短評】喉奥手前にフレーバーの塊を作り、数分間極上のベンリアックフレーバーを満喫できる


【スコア】殿堂入り 敬意をもって採点辞退


【ファースト】:卒倒 炸裂する果実感(++) 白桃(+++) ライチ(+) ローズ(++) 赤みのある琥珀 焦げた麦 時間と共にキャラメルコーティングされたビターチョコレート 枯れた葉 葉巻のヒント

【ミドル】:ボディはボトムがしっかりしていて、やや粘性がある 口腔内で広がる(+) フィニッシュへの連結感とともに舌へしみ込む 白桃 ローズのコーティング(++)

【フィニッシュ】:返りはアルコール感が一体となって鋭い 鼻抜けの果実感が秀逸 焦げた木材~麦 喉奥手前にフレーバーの塊を作り、数分間極上のベンリアックフレーバーを満喫できる


三宮のメインモルトさんと、曽根物産さんの60周年を記念してボトリングされたベンリアック1968。

開栓とともに湧き上がる果実感。白桃、赤みのある桃、ローズ。70年代中期の近年ボトリングでは麦感が前面に出ているものが多いですが、本ボトルは終始素晴らしい果実感に酔うことが出来ます。

ボウモアと同じく、ベンリアックの果実感も「日本酒」でいうところの「吟醸香」ともいうべき、エステルの芳香が炸裂していて、これはフロアモルティングに負うところが多いという説がありますが、もし日本酒でいうならば(場合によっては)精米歩合が50%を超えるレベルにまでその米の持つデンプンを糖化・発酵させたという事であり、これがフロアモルティングで決まるのかどうかは、ウイスキーでいうところでは大麦の発芽後生産される酵素の量とも密接に関わる部分です。そして酵母・イーストの作用の仕方も大きく出来上がりを左右するでしょう。

そう考えるとウイスキーが蒸溜酒であるために、いわゆる蒸留前の工程が由来であるならば、蒸留させた際吟醸香の元となる成分も共に気化したのち再び液化したということになりますが、これはニューポットを飲んでみると乳酸とともにオイリーともエステリーともいうべきフレーバーが既に感じ取れます。

ボウモア60年代もバーボンカスクの方が南国感は分かりやすく、もしも、このニューポッドを分析することで熟成後の「果実感」「南国感」を予測出来るよう基礎研究を行えば、ある程度意図的に生産できるようになるものと想像しますが。。。そう甘くはないのでしょうか。。。

神戸発の記念すべきボトリング。2010年のウイスキー界を盛り上げてくれた貴重な1本です。

殿堂入り。