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【ウィスキー日記】シングルモルト余市10年 45% 現行品


今夜の晩酌は、熱狂的ファンの多い余市蒸留所の現行ボトル、
シングルモルト余市10年からスタートです。

IMG_8638

シングルモルト余市10年
45度 700ml

ジャパニーズの現行各種シングルモルトの10年、ないしノンビンテージクラスと比較すると、
まず際立つのは良い意味でのフレーバーの粗々しさ、力強さ。
度数が若干高いというのもあると思いますが、それを除いても十分な強さがあり、山崎や白州が正三角形なら、
余市は同じ面積の直角三角形、突出した個性的なキャラクターを打ち出していると言えます。


香りにほのかにチーズのような乳酸と、赤い果実を思わせる甘酸っぱさ、ヨード香があり、
フレーバーは香ばしい麦芽シリアル、松の実、かすかに硫黄、余韻でピートがしっかり感じられビターなフィニッシュ。
ハイランドというよりは島(アイランズ)地域を連想させる構成。
個人的には、この中間にある硫黄やピートの土っぽさが”石炭”のようなフレーバーとして結びつき、
香ばしい麦芽フレーバーと合わせて、余市蒸留所らしさを演出しているように感じます。
どちらかと言うと通好みの味ですね。


オフィシャルラインナップでは、12年、15年、20年(余市のみ)、
年数が増える毎にシェリー樽の比率が増すのか、松の樹皮のような樽香と硫黄香が強く感じられるフレーバー構成になっており、
個人的に余市のオフィシャル市販ラインナップでは、価格も考えると様々なフレーバーが感じられる10年が一番好みです。
(硫黄香は15年が一番強く感じられるかな、20年は樽香とのバランスが取れていてまぁ中々いいかな。)

なお、アサヒビールが販売する前の、旧ニッカウイスキー販売時代(1980年代、1990年代)のシングルモルト余市は、
度数も違いますが、今ほど硫黄は感じず、松の樹皮系の樽香と今よりも強いピートが特徴的でした。

現行については180ml小瓶もラインナップにありますので、興味がわいたら家のみでちょっと試してほしいですね。
旧ボトルのほうは、オークションでたまに出ていてそこまで値段もしませんが、
BARにあったら飲み比べてみてると面白いと思います。

大きな満足は得られないながらも、「おっ」という新しい発見には繋がるかも知れません。

では、今夜も良い夜を。